【犬猫のための春の養生】〜4月に気をつけたい体調管理とおすすめツボマッサージ〜

春は「生命が芽吹く季節」。東洋医学では、春は「肝(かん)」の働きが活発になる時期とされます。4月は気温も上がり、日差しも強くなり、心も体も自然と活動的になっていきます。ですが、季節の変わり目でもあり、自律神経のバランスを崩したり、ストレスがたまりやすくなったりしやすい時期でもあります。

中医学からみた4月の体の変化

中医学では、春は「肝気(かんき)」が高ぶりやすい季節と考えられています。肝は「気(エネルギー)」の流れをスムーズに保つ役割を担いますが、これがうまくいかないと、イライラしやすくなったり、目の不調、筋肉のこわばり、消化器の不調として表れることもあります。

特に犬猫では、
・落ち着きがなくなる
・欲が不安定になる
・目ヤニが増える、目をこする
・筋肉が硬くなる、ジャンプや歩き方がぎこちない
といった変化が見られることがあります。

春は「伸びやかに過ごす」ことが大切です。体の内側からエネルギーをスムーズに巡らせ、ストレスをためないことが、犬猫たちの心身の健康を守る鍵となります。

おうちでできる!おすすめツボマッサージ3選

ここでは、春にぴったりなツボを3つご紹介します。優しく撫でたり、円を描くようにマッサージしてあげましょう。1か所につき、1〜2分を目安に、無理なく行ってくださいね。

① 合谷(ごうこく)
【場所】 前足の外側、第1指(親指)と第2指の骨が交わるくぼみ。

【効果】 気の流れを整え、目や鼻の不調、皮膚のかゆみを緩和します。春の花粉や風によるアレルギー症状に有効。

マッサージ方法: 指で軽く挟むように押さえ、5秒ほど静止。その後、優しく揉むように10回ほど動かします。涙目やくしゃみが気になる子に特におすすめ。マッサージ後は目元を清潔な布で拭いてあげるとさらに良いでしょう。

【合谷:綿棒でおさえているところ】

② 肝兪(かんゆ)
【場所】
背骨沿いにあり、第9胸椎と第10胸椎の間から外側に指2本分のところ。(わんちゃんねこちゃんを上から見て、肩甲骨の後ろあたり)

【効果】
肝の機能をサポートし、筋肉のこわばりや目のトラブルにもよいとされます。背中を優しくなでるようにしながら、肝兪のあたりを重点的にマッサージしてあげましょう。

【肝兪:指で左右から軽く押さえるといいですね】

【肝兪:指で左右から軽く押さえるといいですね】

③三陰交(さんいんこう)

【場所】後脚の内側、足首の内側から指4本分上。

【効果】ホルモンバランスを整え、全身の調和を促進します。優しく指で押しながら、リズミカルに揉むようにしてください。

【三陰交:肢の内側にあります】

【三陰交:肢の内側にあります】

おわりに
春は動物たちにとっても新しいエネルギーが芽生える大切な時期です。一方で、環境の変化や気温差に体がついていかず、不調を招きやすい季節でもあります。

ぜひ毎日のスキンシップに、今回ご紹介したツボマッサージを取り入れてみてください。
わんちゃんねこちゃんとの心の絆もさらに深まり、健やかな春を一緒に過ごす手助けになるはずです。

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この記事を書いた人

The vet 南麻布動物動物は、循環器専門家のいる犬・猫の動物病院です。日本獣医循環器学会の認定医が在籍。心臓の内科治療や心臓手術の数多くの治療実績がございます。セカンドオピニオンもお受けしていますのでお気軽にご相談下さい。動物健康診断センターとトリミングサロン、ペットホテルも併設しています。

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