4月は本格的な春を迎え、気温も安定してくる一方で、生活環境の変化が多い季節です。引っ越しや家族構成の変化、来客の増加など、人の動きが活発になることで、犬や猫も知らず知らずのうちに影響を受けています。東洋医学では、春は引き続き「肝(かん)」の季節ですが、4月はとくに“肝から脾(ひ)へ”のバランスが崩れやすい時期と考えます。
中医学で見る「4月」の体の変化
「肝」は気の巡りを調整し、「脾」は消化吸収やエネルギー産生を担います。春に肝の働きが高まりすぎると、肝が脾を抑え込む「肝気犯脾(かんきはんぴ)」という状態になりやすくなります。
その結果、犬猫では次のような変化が見られることがあります。
・食欲にムラが出る
・軟便や下痢、吐き戻し
・お腹が張りやすい
・甘えが強くなる、逆に神経質になる
・皮膚の赤みや軽いかゆみ
環境変化によるストレスも重なることで、消化器症状や情緒の揺らぎとして現れやすいのが4月の特徴です。今月の養生は、「気の巡りを整えながら、胃腸を守ること」がポイントになります。
4月におすすめのツボ
ご家庭で取り入れやすいツボを3つご紹介します。
① 足三里(あしさんり)
位置:後肢の前側、膝のお皿のすぐ下の外側。
作用:消化機能を高め、全身の気を補う代表的なツボ。春の胃腸トラブル予防に。
マッサージ法:親指で心地よい強さで30秒ほど円を描くように刺激します。

【足三里:膝関節のななめ下方にあります】
② 太衝(たいしょう)
位置:足の甲側、第1指と第2指の骨の間。
作用:肝の気を整え、ストレス緩和や情緒安定に役立ちます。
マッサージ法:ゆっくり呼吸に合わせてやさしく押します。強く刺激しすぎないことが大切です。

【太衝:後肢の甲の骨(中足骨)内側から数えて1本目と2本目の骨の間です】
③ 中脘(ちゅうかん)
位置:みぞおちとおへその中間あたり。
作用:胃腸の働きを助け、食欲不振や吐き気の緩和に。
マッサージ法:手のひらでお腹を温めるように、やさしく円を描いてさすります。

【中脘 みぞおちとおへその中間点にあります】
マッサージのポイント
4月は「がんばらせない養生」が大切です。新生活の変化に適応しようと、動物たちも無意識にエネルギーを使っています。暖かく静かな環境で、リラックスしている時間帯に短時間から始めましょう。
特にお腹まわりのケアは、強く押さず“温めるように触れる”ことを意識してください。触れること自体が安心感につながり、自律神経の安定にも役立ちます。
おわりに
4月は外から見ると穏やかな季節ですが、体の中では大きな変化が起こっています。東洋医学では、春は「のびやかさ」と「安定」の両立が大切とされます。気の巡りを整え、胃腸を守ることで、初夏に向けて元気な土台を作ることができます。
日々のやさしいツボケアを通して、愛犬・愛猫の小さな変化に気づきながら、健やかな春を過ごしていきましょう。