秋の東洋医学的過ごし方

獣医師、国際中医師の増田です。
9月に入りましたが相変わらず暑さが続いていますね。暦の上では、季節はすでに秋に入っています。二十四節季でいうと、立秋(8月8日頃)から霜降(そうこう)(10月23日頃)辺りまでを指します。さて、そんな秋に向けてからだをどのようにして健康を整えていくとよいかについてご紹介します。

【五行色体表 ※出典:illustACの無料素材より】

東洋医学では、陰陽や五行といった概念でこの世に存在するものを当てはめて解釈します。こちらのイラストは五行をイメージ化したものです。この中で秋は「金」に属する季節といわれます。この「金」は、鉱脈の中に水が溜まることがあるように水分の調整を行う性質があります。また四柱推命などでは、金に属する人は金属のように磨けば光り、便利なものに変化できることから、物事に礼儀正しく、ストイックに接するタイプと表現されます。

一方で、この秋の気候でも見られるように次第に空気が乾燥してくると不調が見られるようになります。

五臓の「肺」は、その字の通り呼吸に関連した臓器で新鮮な空気を取り込み、代謝で使用した二酸化炭素を出します。呼吸器全体では、乾燥した時期になると呼吸器の不調が出やすくなりますね。一方で呼吸器が乾燥すると呼吸器系の感染症にかかるリスクが上がりますカゼやインフルエンザが流行しだすタイミングともおおかた一致します。

また、東洋医学の「肺」にはからだの防衛機能として重要な仕事もしています。体のなかに入ってくる悪いもの「邪」は体表や呼吸器を通じて入ってきますが、これらは肺によって守られている、という考え方です。

わんこやにゃんこの場合、秋にかけて生じやすい不調は人間とだいたい同じかと思います。呼吸器の不調、猫のかぜ症状、その他感染症など、肺の働きが低下すると症状に現れると考えられます。

そのため、秋にかけて東洋医学の視点から養生のポイントを挙げてみますと

・乾燥に注意し、適度に水分をとりましょう
・換毛期は体力やストレスの消耗が大きいため、しっかり休養をとりましょう
・体重が増えすぎない程度にバランスよくたべましょう
(ただし、かかりつけの先生から食事に関して指示がある場合はそちらを優先しましょう)
・冷やしすぎない、温めすぎない

季節の変化が大きいため不調をきたすことが多いのも秋ならではです。不調かな?と思った際は、早めにご相談ください。

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この記事を書いた人

The vet 南麻布動物動物は、循環器専門家のいる犬・猫の動物病院です。日本獣医循環器学会の認定医が在籍。心臓の内科治療や心臓手術の数多くの治療実績がございます。セカンドオピニオンもお受けしていますのでお気軽にご相談下さい。動物健康診断センターとトリミングサロン、ペットホテルも併設しています。

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