春は出会いと別れとストレスの季節?春真っ盛りの東洋医学的養生について

3月になり、卒業式や新生活を迎える人が多くなる時期となりました。生活環境が大きく変化するこの時期、ストレスを抱えることが多くなることが予想されます。これは、実は年度の切り替えが4月に起こる日本独特…というわけではどうやら無いようです。

この時期に起こるストレスや不安は、東洋医学の春の特性と関連があるといわれます。

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五行の相関 (フリー素材 illust AC uatelierさまより)

上の図をご参照ください。この図の真上にある「木(もく)」のところに「季節 春」と書いてあります。春は、五行の中で木に属します。春になると木や植物が一斉に地面から顔を出す季節です。英語でも春をSpring(湧き出る)というのと似ていますね。そして、木に属している五臓(臓器のような概念)は肝(かん)です。東洋医学の肝の働きは、実際の肝臓の機能と異なる部分が多く、血をとどめておく作用や自律神経を調整することが主な仕事としています。

木の季節、つまり春になると肝に少々負担がかかりやすくなります。それによって自律神経の安定を保ちづらくなったり、肝が普段行っている血の貯蔵や流れのバランスを乱すことがあります。特に血は気との関連が深く、これらの流れが滞ることで「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれる状態を起こします。これがイライラやストレスに繋がります。

また、肝は風(ふう)の影響を受けやすい臓腑です。ここでいう風とは、皆さんが想像する風の概念と風邪(かぜ)に近いものとあります。季節の変わり目は風邪をひきやすくなりますが、春先の風邪もなかなか厄介です。また風はからだの上方に移動しやすい性質をもっているので、頭部(めまい)や頭痛などを生じます。

先程のストレスなどから、体内で風を生じることもあります。これを内風(ないふう)と呼びますが、イライラやストレスなどから頭痛や耳鳴りなどを起こし、重症になるとけいれんや異常行動を起こすことがあります。これを肝風内動(かんぷうないどう)と呼びます。個人的に意外と春先にてんかんのわんこが増える印象がありますが、その要因のひとつとなっているのかもしれません。

このようなストレスをためやすい春は、意識してストレスをためず、しっかり休養と睡眠をとることが重要です。また、気温変化の大きい時期であること、春風が強い時には東洋医学的に外から病邪が入りやすくなりますので、首元を温かくして過ごすことが推奨されます。

年度末のお忙しい時期を、おうちの方もわんこにゃんこも健康でありますことをお祈りいたします。

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