犬猫の2月の養生 ―冬の終わりと春の始まり、「肝」をいたわる東洋医学的ケア―

東洋医療専門医の増田です。2月は一年の中でも寒さが残る一方、少しずつ春の気配が感じられるようになります。東洋医学では、この時期は「冬から春への移行期」と考えられ、体の中でも変化が起こりやすい季節とされています。寒さに耐えていた体が、ゆっくりと動き始めるため、犬や猫にも特有の不調が現れやすくなります。

東洋医学で見る「2月」の体の変化

2月は、冬に深く関係する「腎」の影響がまだ残りつつ、春に対応する「肝(かん)」の働きが徐々に高まり始める時期です。「肝」は気や血の流れを調節し、筋肉や関節、メンタルの安定と深く関係しています。

このため2月には、以下のような変化が見られることがあります。

・なんとなく落ち着きがなくなる、イライラしやすい

・寝てばかりだったのに、急に活動量が増える

・食欲にムラが出る

・嘔吐や軟便などの消化器トラブル

・筋肉のこわばり、関節の違和感

これらは、春に向かって「気」が動き始めることで生じる気滞(きたい)や、寒さが残ることによる冷えの影響が重なって起こると考えられます。2月の養生では、「肝の気をスムーズに流すこと」と「冷えを残さないこと」が大切なポイントになります。

2月におすすめのツボとマッサージ

ここでは、2月の体調管理に役立つツボを3つご紹介します。リラックス効果も高く、日々のスキンシップにも適しています。

① 太衝(たいしょう)

位置:後肢の足の甲側、第2・第3中足骨の間のくぼみ。

効果:肝の気の流れを整える代表的なツボ。イライラや落ち着きのなさ、消化器の不調にも役立ちます。

ケア方法:親指でゆっくり円を描くように、左右それぞれ30秒ほどやさしく刺激します。

【太衝:内側のくるぶしから指の水かきまでの間にある骨(中足骨)の間にあります】

② 肝兪(かんゆ)

位置:背中の中央、肩甲骨の後端付近で、背骨から約指2本分外側。左右に一対あります。

効果:肝の働きを助け、気血の巡りを改善します。筋肉の緊張が強い子にもおすすめです。

ケア方法:両手の指先や手のひらで、呼吸に合わせてゆっくり押したりさすったりします。

【肝兪:背骨をはさんで左右に1対あります】

③ 関元(かんげん)

位置:おへそと恥骨の出っ張りの部分を結んだ線上で恥骨の方から2/5の場所。

効果:体を温め、腎と肝のバランスを整えるツボ。冷えや体力低下の予防に適しています。

ケア方法:手のひらで下腹部を包み込むように、温めるイメージでさすります。

【関元:この写真では、親指が恥骨の前端で小指がおへそです、関元は人差し指の位置】

マッサージの際の注意点

マッサージは暖かい部屋で、犬猫がリラックスしているタイミングでやってみましょう。強く押す必要はなく、「気持ちよさそうにしているか」を目安に行うことが大切です。短時間でも毎日続けることで、季節の変化に負けにくい体づくりにつながります。

おわりに 2月は、春に向けて体と心が動き始める大切な準備期間です。東洋医学的な養生を取り入れることで、季節の変化を穏やかに乗り越え、元気に春を迎えることができます。愛犬・愛猫の様子をよく観察しながら、やさしいケアを続けてあげましょう。

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