栄養管理は、犬や猫の健康と長寿を支える土台です。適切な食事によって、病気の予防や治療の効果を高め、動物たちはより健康で快適な生活を送ることができます。
南麻布動物病院では、栄養学に基づいた専門的な診療を行っており、成長期から老齢期、慢性疾患や術後の回復期まで、それぞれのライフステージや病態に応じた最適な栄養プランをご提案しています。食事療法の設計・管理はもちろん、体重コントロールやフード選びのご相談にも対応しております。
医学的知見と最新の栄養情報を活かし、
予防から治療まで一貫してサポートいたします。
当院の特徴

南麻布動物病院の栄養管理科では、単なる「ごはんの相談」ではなく、医学的根拠に基づいた専門的な栄養評価と食事療法を行っています。
動物たちが「美味しく、安心して食べられること」と「健康を保つこと」の両立を目指し、ひとりひとりに最適なプランをご提案します。
- 各種疾患に対応した食事療法(心臓病・腎臓病・糖尿病・消化器疾患・がんなど)
- 専門スタッフによる栄養アセスメント(BCS・MCS・血液検査などに基づいた詳細評価)
- パピーからシニアまで、ライフステージに応じたきめ細やかな提案
- 療法食だけでなく、市販フード・手作り食へのアドバイスにも対応
- 獣医師・栄養担当・看護師が連携し、医療の一環としての栄養管理を実施
診療について
当院で実施可能な検査
1.一般身体検査・スクリーニング
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
体重・BCS・MCS | 栄養状態(脂肪・筋肉量)の評価 |
体温・心拍・呼吸数 | 全身状態の基本評価 |
食餌歴・生活環境調査 | フードの種類、量、頻度、嗜好、サプリメント使用の確認 |
2.血液検査
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
CBC(血球計算) | 貧血・感染兆候 |
生化学検査 | 肝・腎機能、電解質 |
T4(甲状腺) | 代謝バランス |
CRP / SAA | 炎症マーカー |
血清アルブミン | 栄養タンパクの評価 |
血清コレステロール / TG | 脂質代謝 |
血清ビタミン・ミネラル(※必要に応じて) | 亜鉛・鉄・ビタミンE・B12など |
3.消化吸収機能の評価
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
糞便検査(顕微鏡、脂肪染色) | 消化不良、寄生虫 |
TLI / fTLI(膵外分泌) | EPIの評価 |
cPLI / fPLI | 膵炎 |
糞便中α1-プロテイナーゼ阻害物質 | 腸漏れ症候群 |
4.尿検査・尿バイオマーカー
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
尿比重・pH | 水分摂取、ミネラルバランス |
UPC(尿蛋白クレアチニン比) | 蛋白漏出 |
尿電解質(Na/K/Ca/Mg) | ミネラルバランス |
5.画像検査(必要に応じて)
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
腹部超音波検査 | 消化管・肝胆道・膵臓 |
体脂肪・筋肉評価(超音波またはCT) | 筋量・脂肪量 |
6.栄養アセスメント・フォローアップ
検査項目 | 内容・目的/鑑別診断 |
---|---|
栄養アセスメントシート | 食事内容・ライフステージ・疾患・好みを総合的に評価 |
給餌プランの設計 | エネルギー要求量、給与量、フード選定、必要サプリメントの提案 |
経過観察・再評価 | 定期的な体重測定、血液検査、BCS/MCS再評価など |
病気について
気になる症状からみる病気

主な症状 | 考えられる栄養性病態 | 鑑別診断の一例 |
---|---|---|
体重減少 | 栄養不良(低カロリー摂取、消化不良) | 悪性腫瘍、慢性腸症(IBD等)、腎疾患 |
体重増加/肥満 | 高脂肪・高カロリー摂取、過剰給餌 | 内分泌疾患(甲状腺機能低下症、クッシング) |
被毛のパサつき・脱毛 | 必須脂肪酸欠乏、ビオチン・亜鉛・タンパク不足 | アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患、寄生虫感染 |
フケ・皮膚炎 | オメガ3脂肪酸不足、ビタミンA欠 乏、亜鉛欠乏 | 皮膚糸状菌、アレルギー、膿皮症 |
筋力低下・運動不耐性 | タンパク質不足、ビタミンE欠乏 | 心疾患、神経疾患、整形外科的疾患 |
下痢・軟便 | 食物不耐性、繊維不足/過剰、脂 肪過剰、乳糖不耐症 | IBD、膵外分泌不全(EPI)、感染症、寄生虫 |
便秘 | 食物繊維不足、水分摂取不足 | 巨結腸症、神経疾患、運動不足 |
けいれん | 低カルシウム血症、ビタミンB1欠 乏、中毒(過剰Na) | 肝性脳症、てんかん、脳炎、中毒 |
貧血 | 鉄・銅・ビタミンB12欠乏 | 慢性腎臓病、出血、免疫介在性溶血性貧血(IMHA) |
易感染性 | タンパク質不足、ビタミンA・E・亜鉛欠乏 | 免疫抑制疾患、猫白血病ウイルス(FeLV)、猫エイズ(FIV) |
成長遅延 | 栄養不良(エネルギー・カルシウム・リンなどの欠乏) | 骨代謝異常、先天性代謝疾患、寄生虫 |
骨格異常/跛行 | カルシウム・リン比の不均衡、ビタミンD欠乏/過剰 | 股関節形成不全、成長板障害、関節炎 |
尿路結石 | マグネシウム、リン、カルシウム過剰、水分摂取不足 | 特発性膀胱炎、細菌性膀胱炎、尿路奇形 |
症例報告
当院での治療実績
記事が見つかりませんでした。
担当医の紹介

顧問/獣医師
佐藤 貴紀
Takanori Sato
- 日本獣医循環器認定医
- ペット栄養管理士
- ペットフード安全管理者
飼い主さまへ
「食べること」は、動物たちの毎日を支える大切な営みです。
どんなに良いお薬や治療を行っても、食事が合っていなければ本当の健康は得られません。
私たちは、病気の予防から治療中のサポートまで、食事を通じてご家族を支えたいと考えています。
「この子にとって一番良いごはんって何だろう?」そんな疑問を感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。
出身地
- 東京都
所属学会
- 日本獣医循環器学会
略歴
- 2002年 麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
- 2002年 西荻動物病院・上石神井動物病院勤務
- 2007年 dogdays東京ミッドタウンクリニック非常勤
- 2008年 株式会社FORPETS設立・白金高輪動物病院 院長
- 2011年 分院中央アニマルクリニック開院
- 2012年 日本循環器認定医 取得
- 2015年 Dog Care Salon LINDOクリニック 開院
- 2018年 目黒アニマルメディカルセンター 統括院長 就任
- 2021年 VETICAL動物病院 代表獣医師
- 2021年 株式会社PETOKOTO 取締役就任
- 2021年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 入学
- 2022年 東京都獣医師会理事 就任
- 2023年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科 卒業 MBA取得
- 2024年 ハグウェル動物総合病院 統括院長 就任
学術業績
- 2015年 冠動脈肺動脈瘻の犬の1例
著書

『いぬのココロがわかる本』
ぶんか社文庫(2010年1月発売)

『お仕事熱血ストーリー 感動する仕事!泣ける仕事!第2期』
学研教育出版(2012年1月発売)

『犬の悩みなんでも相談室』
学研パブリッシング(2013年5月発売)

『動物たちのお医者さん』
小学館ジュニア文庫(2015年10月30日発刊)

「犬の急病マニュアル」
鉄人社(2015年12月11日発売)

「猫の急病マニュアル」
鉄人社(2014年6月22日発売)

『実践 犬と猫の心エコー図検査』
緑書房(2023年6月28日発刊)