
6月は梅雨の時期に入り、湿度が一気に高まります。東洋医学では、この時期は一年で最も「湿(しつ)」の影響を受けやすいとされ、体内の水分代謝や気の巡りが滞りやすくなります。特に消化吸収を担う「脾(ひ)」は湿に弱く、働きが低下しやすい臓腑です。
中医学で見る「6月」の体の変化

「湿邪」は重く粘り気があり、体に停滞する性質があります。そのため、6月は“重だるさ”や“ベタつき”として不調が現れやすくなります。また、湿がこもることで「湿熱(しつねつ)」へと変化し、皮膚トラブルの原因にもなります。
犬や猫では、次のような様子が見られることがあります。
- 元気がなく、寝ている時間が増える
- 食欲低下や消化不良、軟便・下痢
- 体が重そう、動きたがらない
- 皮膚のかゆみ、赤み、外耳炎の悪化
- 被毛のベタつき、においが強くなる
これらは「湿の停滞」や「脾虚(ひきょ)」、あるいは「湿熱」によるサインです。6月の養生では、「余分な湿を外に出すこと」と「脾を補い、巡りを促すこと」が重要になります。
6月におすすめのツボ
湿の影響をやわらげ、体のバランスを整えるツボを3つご紹介します。
① 陰陵泉(いんりょうせん)
位置:後肢の内側、膝の内側にあるくぼみ。
作用:体内の余分な水分を排出し、むくみやだるさを改善する代表的なツボ。
マッサージ法:指の腹で軽く押しながら、ゆっくりとリズムよく30秒ほど刺激します。

【陰陵泉 名前の通り「陰」の流れを整えるツボです】
② 足三里(あしさんり)
位置:後肢の前面、膝の下の外側。
作用:脾胃を補い、消化機能と全身のエネルギーを高めます。湿に負けない体づくりに。
マッサージ法:親指で円を描くように、やさしく刺激します。

【足三里 たびたび紹介していますが本当に便利なツボなんです】
③ 曲池(きょくち)
位置:前肢の肘を曲げたときにできる外側のくぼみ。
作用:熱を冷まし、皮膚の炎症やかゆみを和らげるツボ。湿熱対策に有効です。
マッサージ法:軽く押しながら、心地よい程度に20〜30秒ほど行います。
マッサージのポイント
6月は「ためない・こもらせない」ことが大切です。マッサージはややリズミカルに行い、巡りを促すイメージで行いましょう。ただし強い刺激は不要で、あくまで心地よさを優先してください。
また、湿の季節は環境管理も重要です。
- 室内の湿度を下げる(除湿・換気)
- 被毛を清潔に保つ
- 寝床を乾いた状態にする
こうした工夫も、東洋医学的には立派な「養生」です。
おわりに
6月は体の中に湿がたまりやすく、不調が表面化しやすい時期です。しかしこの段階でしっかり整えておくことで、夏バテや慢性的な皮膚トラブルを予防することができます。
東洋医学では、「流れをよくすること」が健康の基本です。ツボケアと日常の環境調整を組み合わせながら、愛犬・愛猫が快適に梅雨を乗り越えられるようサポートしていきましょう。