東洋医療担当の増田です。
11月16、17日に麻布大学で「第8回アジア伝統獣医学会・アジア中医学学会」が行われました。
アジア伝統獣医学会・アジア中獣医学会とは、アジア地域における中獣医学に関するスペシャリストによる学術集会で、2年に1回開催されています。今回は日本がホスト国となっており、その運営や準備、またそれと並行して講演をすることとなりました。
中国や台湾の大学教員や臨床医をはじめ、国内からは獣医学を専攻する学生さんや愛玩動物看護師、一般の飼い主さまなど幅広くご参加がありました。
私増田は本業が獣医師でありますが、愛玩動物看護師の国家資格も取得をしております。取得に至った理由に、愛玩動物看護師の育成のため講師業も行っていることがあります。
今回この大会において、愛玩動物看護師向けの中医学(東洋医学)の応用法について講演をいたしました。
動物看護の現場で中医学を活用するためのヒントや、ポイントなどをお話いたしました。また、実際にわんこを触りながら舌の具合や脈など中医学の特徴となる部分を紹介いたしました。
海外の大学の先生の教育講演も大変興味深いものとなりました。日本からは、日本大学の濃鯉江洋教授がピクノジェノールと呼ばれる成分が犬の心疾患に対して安定したQOLを得られる一助となることを紹介されました。このご講演の座長を拝命しましたが、聴講されている先生方からの熱心な質疑応答があり場が盛り上がりました。
獣医学の中でも東洋医学はまだまだマイノリティと呼ばれがちであり、また歴史が幅広い派生分野があるため、学ぶこと知らないことが多いということも実感しました。
本来はこの国際学会を2年ごとに開催することになっていますが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、次回の第9回大会は来年中国で開催されることとなっています。常任理事の役を頂いておりますため、そちらへの参加が早くも楽しみになっています。
「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む」福沢諭吉