動物に漢方って実際どうなの?(前編)

東洋医療科担当の増田です。

ここ数年で、東洋医学がどうぶつにも効くのではないか?というお尋ねが増えてきたように思います。
どうぶつの医療の現場で、東洋医療のニーズが高いのはやはり整形外科に関係したところで、腰痛対策や四肢の機能改善を目的とした分野です。 10数年くらい前はほとんどが整形外科関連でしたが、東洋医学がそれ以外の所でも心身の改善につながることが少しずつですが拡がっている印象があります。
それに伴って、漢方への関心が高まっているように感じます。

そもそも漢方って何?

よく「漢方」ということばを耳にしますが、「漢方」とは鍼灸や食養生も含めた医学 全般を表します。 とくに日本では、中医学といわれる中国の伝統医療が 6世紀ごろ日本に伝わり、日本独自の発展を遂げたものを指すことが多いです。そのため「日本漢方」と区別して呼ぶこともあります。

漢方薬という言葉もあります。これは、漢方医学の理論に基づいて処方される医薬品のことを指します 。 こちらも、日本に伝わってから独自の発展を遂げたものもあります。中医学に基づいたお薬を「中成薬」あるいは「中薬」と区別することもあります。皆さんが比較的目にするツムラの漢方はどちらかというと日本漢方的な立ち位置になります。

【おなじみの医療機関で処方されるツムラの漢方の一例】

日本漢方と中薬との違いですが、使用している生薬に差があるものがあります。また、中薬では比較的動物由来の生薬を使用することが多いように思います。
主観が入りますが、保険診療対象外となる漢方薬局さんなどでは中成薬の比率が高めです。


【漢方薬局で取り扱っている中成薬の一例】

または、生薬をその場で調合することも多いですね。

【台湾の迪化街迪化街にある漢方薬局】にある漢方薬局】

このように漢方といっても幅が広く、歴史が長いことから国や地域によって独自の進化を遂げていることもあり、現在は多種多様な漢方薬が存在します。

これらを動物の医療にどのように使用しているのかを次回ご紹介します。

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